【鳥越峠の茶屋跡】峠の茶屋跡で夏目漱石『草枕』の世界を知り学ぶ。

峠の茶屋熊本市西区

本を読んでいる時や映画を見ている時、すぐその世界に入りこみ、まるで自分も登場人物の一員のような気になってしまうあゆ姫です。

今回は、「オイと声を掛けたが返事がない。」このお話の世界へ行ってきました。

本でも映画でもなく、実際に跡地だった場所や資料館を訪問し、いつも以上にリアルにその世界を想像できた気がします。

「オイ、と声を掛けたが返事がない。」

峠の茶屋

このフレーズは、普段本を読まない人や歴史に詳しくない人でも、1度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。

夏目漱石『草枕』のフレーズです。

熊本県内、あちこちに『草枕』の舞台となったスポットがあります。

今回は、熊本市西区河内町にある
『鳥越峠の茶屋跡』へ行ってみました。

峠の茶屋

現在、跡地は井戸のみが残されています。周辺は『峠の茶屋公園』として、綺麗に整備されていますが、井戸は当時のものがそのまま残されているとのこと。

峠の茶屋

こちらの跡地を見ただけでは、あまり想像がつかない!と思ってしまう私は、すぐ近くにある資料館へ入ってみました。

『峠の茶屋』

峠の茶屋

峠の茶屋跡地のすぐ下、徒歩1分ほどの場所に、当時の様子を復元した建物があります。

峠の茶屋

建物の中には、夏目漱石や草枕に関する資料が、たくさん展示されています。

峠の茶屋

土間や五右衛門風呂もあり、昔の暮らしを知ることもできますね。

入場は無料で自由に見学可能。

峠の茶屋

私が訪問した際、誰もいないとても静かな場所で「オイ!」という声を掛けたくなります。

どうやら私は主人公の夏目漱石を演じたい気分になった様子。

峠の茶屋

そんなことを考えながら中に入ると、奥の方から女性が出てきて「こんにちは」と声を掛けられました。

あまりのタイミングの良さに驚き!

草枕ファンの人は、これ…わかりますよね?(笑)

「オイと声を掛けたが返事がない。」この後の一文に「しばらくすると、奥の方から足音がして、障子がさらりと開く、なかから1人の婆さんが出る」とあります。

出て来たのは“婆さん”ではなかったものの、偶然起きたハプニングに興奮した私です。

峠の茶屋

管理人さんが常駐されているようで、感染防止対策の一環として検温を受け、体調について確認する用紙を受け取り記入しました。一気に現実世界へ戻された感がありますが、ここはこのご時世、積極的に協力したいものです。

用紙に記入して、再び草枕の世界へ飛び込みます。

とても静かな空間で、当時の資料などを見ていると、どこからか「オイ」と声が聞こえてくるような気がします。

管理人さんは、聞くと答えてくれますが、必要以上に絡まず静かに見学をさせてくれるのが、世界観に浸りたい私としては、すごく嬉しい。

そんな素敵な配慮のおかげで、草枕の舞台をゆっくりと感じることができました。

この鳥越峠の茶屋跡地から車で15分ほどの距離にある、同じく草枕の舞台となっている『前田家別邸』には、ジブリ作品・宮崎駿監督の『風立ちぬ』のモデルとなった居間があります。

その居間を宮崎駿監督が訪問した際、この峠の茶屋にも立ち寄って帰られたそうで、可愛いトトロが描かれたサインも飾られていました。

峠の茶屋

周辺には、ほかにも複数の草枕の舞台となっているスポットがあります。ほかの場所も併せて回ると、更に草枕の世界に浸る良い時間が過ごせそうです。

また、草枕の舞台となっている場所は自然を沢山感じることができるスポットも多く、綺麗な景色を見ることができる場所も多数あり、素敵なドライブが楽しめます。

興味がある人はぜひ、草枕の舞台巡りをしに行ってみてください。

隣接する峠の茶屋のだご汁屋もおすすめです★

【峠の茶屋公園】
住所:熊本県熊本市西区河内町岳5-4
電話:096-277-2157
見学時間:9:00~17:00
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)・年始年末

Yahoo!エキスパート公開日:2022.02.24

※本記事は、Yahoo!エキスパートにて過去に紹介した記事を移設し、一部をリライトして公開ています。
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